急激な寒さ、寒暖差に身体がついてこない今日この頃。
読書の秋真っ只中。相変わらず旅行に行けそうもないので、今月も紀行文や旅エッセイなどを読み耽りました。
それでは今月10月に読んだ旅の本を紹介していきます!
奇界紀行 / 佐藤健司 著
タイの海中に石像を探し、インド最高の聖者を訪ね、廃墟チェルノブイリに彷徨い、澁澤龍彦の足跡を辿り、謎の古代遺跡に呪われ、アフリカの呪術師と対峙し、南米のUFO村で人々の優しさに触れる。
そこには世にも奇妙な世界、「奇界遺産」が広がっていた。
TBS系「クレイジージャーニー」の出演にて話題となった写真家・佐藤健司さんによるフォトエッセイ。
UFOや未確認生物。占いや呪術。宗教や不思議な建築物。独自の生活をする民族。
全て分け隔てなく色眼鏡で世界を見ずに感じたこと、思ったことを淡々と述べていく文書が個人的に好きでした。
さまざまな雑誌に掲載されていた「奇界紀行」のため沢山の旅が詰まっています。
深夜特急5 ートルコ・ギリシヤ・地中海ー / 沢木耕太郎 著
香港から始まった旅もいよいよ佳境に差し掛かる。アンカラで“私”は1人のトルコ人女性を訪ね、使徒としての役割を果たすことができた。
イスタンブールの街角では熊をけしかけられ、ギリシャでは路上ですれ違った男にパーティーに誘われて…。
いつのまにか旅も終盤に、“私”はこの旅をいつ、どのように終えればよいのか、考えるようになっていた。
今回はトルコから始まる。 旅も終盤に差し掛かり終わりが見えてくると物寂しさを感じてしまう。
人の年齢と同じように旅にも年齢がある。大人になってからでも旅はできるけど、その時にしかできない旅がありますよね。
また、自分の知識以上の旅はできない。だから博物館や美術館を回らなかったというのはとても共感できました。
いつまで経っても色褪せない旅を感じさせてくれるからこそ“旅のバイブル”と呼ばれるのだなと思いました。
ダーウィンの足跡を訪ねて / 長谷川眞理子 著
進化論を確立し、現在の世界の進化生物学の基礎を築いた「チャールズ・ダーウィン」。彼はどのような生涯を送り、どのような思いで画期的な理論を創り出したのだろうか。
著者は長い期間をかけて、ダーウィンが生まれ育った場所、行った場所など、それぞれの土地を実際に訪れ、歩いてみた。
シュルーズベリ、エジンバラ、ケンブリッジ、ガラパゴス…。ダーウィンのゆかりの地をめぐる旅。
ダーウィンの生まれ故郷、暮らした街、旅をしたガラパゴス諸島までダーウィンに関する土地を訪れる旅。 進化論という当時の考えでは常軌を逸脱した考え方を世の中に広めたダーウィン。
彼の人となりや生き方を感じることのできる一冊。 ガラパゴス諸島に行くとなったら、種の起源とビーグル号航海記は読んでおきたいなと思いました。
青春を山に賭けて / 植村直己 著
五大陸の最高峰を踏んだとしてその名を世界に知らしめた日本の登山家・植村直己。著者が大学から登山を始め、五大陸最高峰単独登攀やアマゾンの筏下りなどを成功させるまでの世界放浪の記録。
ほとんど無一文で日本を飛び出し、アメリカの葡萄農家で不法労働、ヨーロッパのスキー場で登山資金を稼ぐ。
素朴で自然体な文章の中にも、しっかりと当時の心情や情景が目に浮かぶリアルさがありました。
山に登る人間なら一度は聞いたことのある登山家・冒険家の著者。恥ずかしながら初めて読ませていただきました。
偉業を成し遂げたこと自体にも驚いたが、異国の地で言語も分からず道具を揃えるため金を稼いでいたことに感銘を受けました。
山に登ることへの信念とか、他者に助けられて今の自分があると言えるところとか尊敬できる。 頂上に着いても、次の冒険や登山のことを考えてるなんて良い意味で変わってる。
世界まちかど地政学 / 藻谷浩介 著
地域エコノミストの著者が、ライフワークとして取り組む「世界の実体経済についてまちかど調査」。
オイルマネーで急成長する旧ソ連連国。中国が狙うスリランカ。台湾の新幹線と首都一極集中現象の関係など。
日本全3200自治体を踏破し、世界90ヵ国を旅した著者が膨大な地理・歴史の教養を交える旅行記。
立ち寄った国々の滞在時間は少ないものの、地域エコノミストとしての博識さや観察力、分析力でその国々の状況を解説してくれます。
旅行記を想像されていると少し残念かもしれませんが世界を知る上で興味深い内容となっていました。
国同士の関係や地名の位置関係などを日本になぞらえて紹介してくれるので、イメージしやすくわかりやすかったです。
最後に
今月も旅行へと駆り立てられる旅の本を読んできました。
日本での感染者数もだいぶ落ち着いてきて、海外旅行の再開も兆しが見えてきてワクワクしています。
早いもので、今月の旅の本を紹介して来月で1年が経ちます。
このブログを見てくださった方が素敵な本と巡り会えていたら幸いです。
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