デビュー作にして日本児童文学者協会新人賞や小学館文学賞などのいくつもの賞を受賞された『西の魔女が死んだ』
その著者でお馴染みの(勝手におなじみにしてすみません)梨木香歩さんの旅の本。
自身のイギリスでの留学経験やカヤック好きとして国内外問わず旅する著者の”旅の本たち”を紹介していきます!
本の世界に溶け込んでいく著者の独特な雰囲気を味わって、一緒に本の旅に出かけましょう!
早速読んでみよう!
エストニア紀行(新潮文庫)
- 発売:2016/5/28
- ページ:212ページ
- 出版社:新潮社
北ヨーロッパの小さな国エストニア。長い歴史の中で、隣国からの支配を受けていたこの国から著者が感じたものとは。
祖国への愛をひたむきに持ち続ける人たちと、その彼らと共に自然を愛する9日間の旅。
出会う人たち、その土地の匂い、風景を思い起こさせる一冊。
感想
エストニア旅行をした気分になれる1冊。エストニアという国について何も知らなかった。
この本を読んで、エストニアという国が生まれた背景や自然豊かな土地、そこに住む人々の暮らしを垣間見れることができました!
旅の余韻を残してくれるおすすめの旅エッセイです。
風と双眼鏡 膝掛け毛布(単行本)
- 発売:2020/3/17
- ページ:223ページ
- 出版社:筑摩書房
双眼鏡を片手にふらりと旅へ出る。地名を手がかりにその土地の記憶をたどりながら、そこに生きる人や動植物の営みに思いを馳せ、創造力を掻き立ててる。
長い年月をかけてつけられた地名は、人と土地の結びつきを表しあたたかな膝掛け毛布のように温もりを感じる。
日本津々浦々の「地名」に関する由来や成り立ちを著者の旅と共に解説、考察して行く短い旅エッセイ。
感想
著者の探究心と博識さを感じる一冊。
旅先で見つけた変わった地名ってなんだろう?ときになることありますよね!
自分にゆかりのある街や気になった地名を調べてみたくなりました。
水辺にて on the water / off the water(ちくま文庫)
- 発売:2010/10/8
- ページ:249ページ
- 出版社:筑摩書房
国内外問わず各地の湖や川でカヤックを漕ぐ著者。水との距離が限りなく近いカヤックの上で感じた世界をナチュラルに描くエッセイ。
水辺には、周りの土の匂いや風のそよぎ、虫の声。周りに暮らす生き物たちとの出会いがあり、自然の儚さや強さを感じる。
その閑静で孤独の世界から物語が生まれる瞬間が垣間見れます。
感想
自然との関わり合いを通じて物語が生まれてくる瞬間を描いたり、自然の強さと弱さを感じながらカヤックを楽しむ姿が描かれています。
なんだか、カヤックを漕いで物思いにふけたくなりました。
村田エフェンディ滞土録(角川文庫)
- 発売:2007/5/25
- ページ:238ページ
- 出版社:角川書店
日本が明治時代の最中、トルコに研究留学中の村田君は、下宿先の英国夫人のもとで同じ下宿人のギリシア人とドイツ人、トルコ人の友人たちと日々議論を交わす毎日。
拾ったオウムに翻弄されたり、神様の喧嘩に巻き込まれたりと目まぐるしく過ぎる青春の日々。異国の文化に触れ合っていく100年前の青春文学。
爽やかでクスッと笑えるストーリーのトルコ滞在日記です。
感想
国籍や文化、宗教も全て違う友人たちとの関わり合いの中にも、相手を思いやり、敬う気持ちがある村田くん。明治時代とは言え武士らしい男でした。
表題の”エフェンディ”とはトルコで知識階級の男性を呼ぶのに使われていたとか。紳士的男性でした。
青春小説とはいえ、異文化の交流を感じることのできる1冊です。
渡りの足跡(新潮文庫)
- 発売:2013/2/28
- ページ:253ページ
- 出版社:新潮社
北海道の知床や長野の諏訪湖、ロシアのカムチャッカに赴き一万キロを無着陸で飛び続けることもある鳥たちの「渡り」に思いを馳せる旅エッセイ。
現地で出逢う「案内人」たちから発せられる人たちの渡り。アメリカから日本へ渡った日系アメリカ人の子孫、シベリアの森を渡り歩いた探検家、開拓のために本土から北海道斜里町に渡った人さまざまな時間と場所を超えた人々の渡りも綴られる。
ひとつの生命体の、その意志の向こうにあるものとは何か。
感想
鳥の渡りをテーマに著者が各地へ旅したエッセイ。
命がけで移動する渡鳥たち。ここではないどこかへ、移動せずにはいられない鳥たちの心情を人生にも置き換えて、少し理解できた気がします。
エッセイの最後には、鳥たちの詳しい説明を織り込まれてて、鳥を調べながら読むのが楽しかったです。
ピスタチオ (ちくま文庫)
- 発売:2014/11/10
- ページ:340ページ
- 出版社:筑摩書房
ライターの仕事を生業としながら、年老いた犬と程よい距離感を保つパートナーと暮らす棚(たな)。そんな彼女にある日アフリカ取材の話が舞い込む。
犬の病や前線の通過、友人の訃報。不思議な出来事が立て続けに起こり、何者かに導かれるようにアフリカへ。
ウガンダで呪術師の弟子になった友人の死を辿りながら彼女が導かれたものとは。
感想
前半の犬やパートナーとのやり取りを行う日常から、後半にはウガンダへ赴き「呪術」や「生と死」の価値観へと触れあう非日常に。
前半と後半で印象がガラッと変わる小説で、どんどん引き込まれていきました。
「その人が死んでから始まる人間関係もある」とか「死者は抱いて眠るための物語が必要」という考え方にはいろいろ考えさせられるものもあります。
アフリカの雰囲気を感じながら、不思議な世界観に触れることのできる一冊です。
最後に
今回は、梨木香歩さんの旅エッセイや世界を舞台にした小説を紹介しました。
著者の愛するカヤックやバードウォッチングなどの興味をそそられるエッセイから、世界の情景を想像させてくれる小説まで盛りだくさん。
気になる小説がありましたら、ぜひ読んでみてください!
以上です。
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