あっという間に2021年の上半期が終了しようとしています。
今月はいつもより多く旅エッセイや紀行文を読むことができました。
有名作家や芸能人の旅エッセイ、妄想旅行記などを中心に7冊です。
今月も読んだ旅の本たち『今月の旅本』を紹介していきます!
▼2022年6月に読んだ旅の本はこちらです!▼
旅を栖とす / 高橋久美子
みんな旅の中に住んでいる
チャットモンチーの元ドラマーや作詞家として活動後、作家になった著者が世界各国を旅した時の記録をまとめたもの。
姉妹二人でアジアを回るバックパッカー旅から夫と二人で旅するヨーロッパ旅まで。
旅に行きたい、旅をしたい、旅人になりたい人に贈る至極の旅エッセイ。
ー感想ー
ガイドさんや新しくできた友人、海外で出会う日本人、離島に移り住む人。旅を通じて出会う人たちって魅力的ですよね。
素晴らしい景色や観光地を巡って、美味しいものを食べて日本に帰る旅もいいかもしれない。けれどもその中で失敗したり、嫌な思いをすることも旅のひとつと受け止め、そういうじめっとした瞬間も大切にする。
その考え方が素敵だと思いました。
旅を通じて出会う人々の魅力を感じられる一冊です。
ヤマザキマリの世界逍遥録 / ヤマザキマリ
世界の各地で見たり聞いたりした記録
JALの機内誌『SKYWARD』にて現在連載中のエッセイ集。ヤマザキマリさんが幼少期から現在に至るまで世界各地で見ていきた旅の記録を徒然なるままに記す。
中国の成都でパンダを抱いたり、ロバに乗ってインディ・ジョーンズの舞台のペトラ遺跡を回ったり、フィレンツェでたべたB級グルメに心を掴まれたりと。
独自の視点で捉えた各地の魅力をイラストと共に綴る30編。
ー感想ー
機内誌ならではの一冊でひとつひとつの物語が数ページで綴られ、世界各国を旅した雰囲気に浸れます。
エッセイと共に描かれているイラストが写真よりも、より旅を感じさせてくれると感じました。
本書の中に記載されている、JAL会員誌『AGORA』掲載の「タイ北部紀行」が特に印象的でした。
バンコクの都会の喧騒とは違う、穏やかで慎ましい民族の方たちの生活や自然と共に生きる環境を感じることができとても面白かったです。
▷ヤマザキマリの見聞録をまとめた旅の本を紹介している記事はこちら
行った気になる世界遺産 / 鈴木亮平
世界遺産がよくわかる“妄想旅行記”
世界遺産好きとして有名な俳優・鈴木亮平がその世界遺産の素晴らしさ、熱い思いを巡らせながら自ら挿絵を書き下ろし、妄想の世界で旅をした前代未聞の旅行記。
この本を読むことで世界遺産を旅した気分に浸れるような1冊。
旅行記書きました。行ってないけど。はじめての書き&描きおろし妄想エッセイ集!
ー感想ー
世界遺産好き、鈴木亮平さん好きとしては大満足の一冊です。
世界遺産をよく知るきっかけにもできる本だと感じました。
旅行記の中で歴史的な建造物やその建物ができた理由、どうして世界遺産になったのかまで、わかりやすく説明してくれます。
ただ世界遺産だからと思って訪れるよりも、その建物や景観がどうして世界遺産になったのかを知ることで、観光や旅行が何倍も楽しくなると個人的には思っています。
俳優とは想像力を使う仕事。この作品においても想像力を働かせ、妄想で旅行記を完成させていてさすがだなと思いました。
47都道府県女ひとりで行ってみよう / 益田ミリ
47都道府県をゆるーく巡る旅。
日本には47都道府県もあるのに全て訪れたことがないな。それなら訪れてみよう。33歳から37歳まで毎月東京から始まるひとり旅。
観光名所を必ず訪れたり、その土地の名物を必ず食べたりすることなく、その時の自分の気分次第でゆるく旅をする。
ただ行っただけの旅の記録。ふらっとゆるい気持ちで読むのにおすすめです。
ー感想ー
2002年から2006年までの間に47都道府県を旅した記録。
今よりもひとりで旅をする人があまりいなかったのか、旅館でひとり部屋を断れることが多くほとんどの旅はビジネスホテルに宿泊。
近くのスーパーでお惣菜や弁当を買ってホテルで食べて寝る。それもいつもと違う場所で行うだけでなんだかワクワクするものです。
旅の途中でも「ひとりでこの体験はちょっと恥ずかしいな」と思ったら訪れるのをやめてみたり、自分の気分でゆるく旅しています。
旅のゆるさを感じつつ、自分も47都道府県に行ってみようかなと思える1冊でした。
またたび/ さくらももこ
さくらももこが“またたび”に出た。
さくらももこ編集長の伝説の面白雑誌『富士山』(全5号)からの取材旅行旅の記録。
世界中のいろいろなところで、楽しいことから辛いことまで。美味しい料理も不味い料理もとにかく食べた。傑作15本の旅エッセイ。
ロンドンではおしゃれなモノがいっぱいで、中国ではとにかくお茶を買い込んで、グアムでひたすらホテルでゆったりと。いろんな旅が詰まっています。
ー感想ー
先月も著者の旅本を読み、またこの本を読むことにしました。
個性豊かな編集者のメンバーたちとの旅行はいつも楽しそう。
ちびまる子ちゃん好きの自分としては、前回に引き続いてやっぱり父ヒロシが登場する話が好きです。
今回は、スリランカで宝石を見る旅。スリランカのお偉いさんに日本人で1番有名な父として紹介されるヒロシの姿が目に浮かび笑えてきました。
温かくて優しい雰囲気の旅エッセイでした。
アイスランド 絶景と幸福の国へ / 椎名誠
アイスランドの大自然とそこに住む幸福な人たち
世界を旅した作家が「最後のでっかい旅」に選んだアイスランド。
独特の絶景や大自然に心を動かされ、敬愛する作家ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』の舞台であった。さらに幸福度、安全度、女性の社会進出度などさまざまなランキングの上位国に位置する国であったため。
世界の幸せと現実を改めて考える、今だからこそ読みたいアイスランド紀行。
ー感想ー
野菜は育たないし、税金は高い、物価も高いから外食なんてほとんどしない。
それでも、原発はない、犯罪は少ない、学費と医療費の補償が手厚い。家族との時間を1番大切にする。
「火の国」と言われるほどの火山活動が盛んな国。だからこそ温泉もある。アイスランド。
遠く離れた場所に位置する国だけれど、どこか近いように感じるアイスランドだけれども、日本よりも幸福度が高いという。 家族との関わり方には大きな違いがありそう。
隣の芝生は青く感じてしまうけれど、見習うべきところは見習いたい。自分の考え方だけでも変えていこうと思えました。
アイスランドの雰囲気も楽しめる素敵な一冊。
マリカのソファー/バリ夢日記 吉本ばなな
バリの旅小説と旅日記で南国気分に浸る
多重人格を抱える女の子マリカと隣で見守る母親的存在のジュンコ。マリカの願いでバリ島へ旅行に行くことに。
バリ島の南国情緒あふれる雰囲気とマリカの深い悲しみと僅かな歓喜の光を描いた小説。
後半は、著者自身がバリ島へ旅をする旅日記的エッセイ。小説のモデルとなった風景・情景を感じながらバリ島気分を味わえる一冊。
1冊で小説とエッセイの両方が楽しめます。
ー感想ー
前半は、バリ島を舞台にした小説。後半は自身の旅エッセイと少し変わった内容です。
多重人格の症状を抱えるマリカのうちに秘められた思いとバリ島のスピリチュアルを感じる雰囲気が合わさり不思議な空気感の小説でした。
一方で『バリ夢日記(旅エッセイの方)』では、著者の素の一面が現れていて急に親近感が湧きます。
小説のモデルとなった場面や出来事が散りばめられており、読んでいてハッとさせられます。
バリ島の観光地、ウブド、レギャン、クタ、サヌールなどからリゾートホテルステイまでバリを満喫した気分になれる一冊でした。
最後に
今月も「今月の旅本」をまとめていきました。
少しずつ海外旅行への兆しが見えてきた6月。
はやく旅行に行きたいと願いながら、今日も本を読んでいきます。
お気に入りの本があれば幸いです。
以上。
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