2021年の8月は夏らしいことができずに終わってしまいそうです。
そんな時でも旅に関する本を読んで、お家で旅行気分を味わうことができました。
今回も毎月恒例の『今月読んだ旅の本』を紹介していきます!
旅行に行けてたあの頃が懐かしい。少しでも旅行気分を味わいたい方はぜひ!
おすすめの5冊を紹介します。
長い旅の途上 / 星野道夫
1996年、カムチャツカで熊に襲われこの世を去った著者。著者の残した単行本未収録の文章を可能な限り盛り込むことを編集方針とした遺稿集。
極北で過酷な環境に生きる人間や動植物たち、そしてその大地そのものを見つめる。
“きっと、人はいつも、それぞれの光を探し求める長い旅の途上なのだ”
ー感想ー
ページを捲るごとにアラスカの季節の移り変わりを感じることのできる一冊。過酷な自然に生きる人間、動植物の力強さを感じました。
この本を書いた著者がみた当時と今のアラスカの風景はもう違うかもしれない。
それでも、著者が見た景色を自分でも見たくなります。
アラスカは、必ずコロナが明けたらいきたい場所の一つです。
今、この瞬間もクジラが海を泳ぎ、ホッキョクグマやムースたちがどこかで生活をしているって考えるとゾクゾクする。
憧れのまほうつかい / さくらももこ
小さい頃から絵ばかり描いていた少女が一冊の絵本に魅力された。 その絵本の作者はエロール・ル・カイン。
作者への憧れから弟子入りをも考える。そしてついに、憧れの人の地を訪れる旅に出るためイギリスへと飛んだ。
旅には思いもよらぬ珍道中がつきもの。サクッと読めて笑えるイギリス取材旅行記?
ー感想ー
著者が惚れ込んだ絵本作家の名前も作品も知らなかった。それでも、この本の中にあるル・カインの絵はとても素敵。
どことなく著者の絵とも似ていて、影響を受けたことが伺える。
そして、旅の珍道中はいつも愉快。愉快な著者の周りには、愉快な編集者さんやガイドさんたちに溢れてる。
ちびまる子ちゃんの名物キャラクター、カメラ好きのたまちゃんのお父さんの誕生秘話もあり、 ちびまる子ちゃん好きには嬉しい一冊。
風と双眼鏡、膝掛け毛布 / 梨木香歩
双眼鏡を片手にふらりと旅へ出る。地名を手がかりにその土地の記憶をたどりながら、そこに生きる人や動植物の営みに思いを馳せ、創造力を掻き立ててる旅エッセイ。
長い年月をかけてつけられた地名は、人と土地の結びつきを表す。
その結びつきは、あたたかく重みのある膝掛け毛布のよう。温かくずっしりとした1冊です。
ー感想ー
日本津々浦々の「地名」に関する由来や成り立ちを著者の旅と共に解説、考察して行く短い旅エッセイ。
旅行に行くと聞き慣れない「地名」ってたくさんあるよなと。気になっていたけど、結局調べずにいることがほとんど。著者の好奇心旺盛な気持ちと博識さが際立つ。
自分の知っている町でとても興味が沸くところもあれば、読んでもいまいち分からないところも。 それでも結局最後まで読めてしまう。
地名を名付けるときに昔の人は、想像力豊かだったんだなあとしみじみ思いました。
居心地のよい旅 / 松浦弥太郎
マンハッタン、バンクーバー、台北、ロンドン…誰かに連れられて歩くことほど不幸なことはない。
匂いや気配で道を探し、自分だけの地図を描くように歩いてみよう。未知の場所に動けば、そこには必ず輝きがある。
本屋とおいしいパン、思いがけない出会いをこよなく愛する著者が贈る12の街への旅エッセイ。
ー感想ー
「暮しの手帖」前編集長の著者が描く旅エッセイ。好きな街の好きな古本屋や気に入ったカフェで自分だけの旅を楽しむ。自分だけのオリジナルの手書きの地図がまたいい感じ。
各国の雰囲気と著者自身が自然体で過ごしているのが感じられた。おしゃれでカッコいい。
この本を読んで、家の近くにあるベーグル屋で遅めの朝食と暑いコーヒーをきめた。影響されやすい自分が恥ずかしいが、これまたいい旅だった。
いつも旅のなか / 角田光代
ロシアの国境で威圧的な職員に怒鳴られながら尿意に耐える。スリランカでは、「祈り」を感じに山へと登る。
日本人女性が好きなオーストラリアのおじさんに助けられる。なんにもないことを感じるモンゴル。
世界中を歩き回り、旅という非日常の中に見つけた当たり前の日常を臨場感たっぷりに綴った一冊。
ー感想ー
Kindle Unlimitedに加入したので読んでみました。
旅に対する想いや価値観にとても共感してどんどん読み進めてしまいました。
早くこんな旅ができる世界になるといいな。
特にお気に入りの箇所を引用しておきます。
“旅にも年齢がある。その年齢にふさわしい旅があり、その年齢でしかできない旅がある”
“旅には大きく分けて、アクティブで行動力のあるアッパー派の旅とゆっくりと旅の中で楽しみを見つけるダウナー派の2つの旅があること”
最後に
旅行に行けない状態が続きますが、旅の本を読んで少しでも旅行気分に浸ってみてはいかがでしょうか?
次の旅の予習や新しい旅先の選択には旅の本がおすすめです!
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