今年もあっという間に12月になりました。1年間が日に日に早くなる気がしますね。
つい先日2021年上半期に読んだ旅の本BEST10を発表したばかりのような気がしていましたがもう半年が経ちました。
なので今回は前回に引き続き、『2021年下半期に読んだ本の中でおすすめの旅の本BEST10』を紹介していきたいと思います。
上半期の旅の本BEST10を読まれていない方はこちらからご覧ください。
個人的なランキングのためあまり参考にならないかも知れませんがまだ見ぬ旅と本に出会えたら幸いです。
それでは早速行ってみましょう!!
第10位 旅の人、島の人 / 俵万智 著
沖縄の石垣島に移住してはや3年。「旅の人」と呼ぶには長く、「島の人」というにはまだ早い。
住んでみたからわかること、慣れてないからこそ驚けること。日々新しいことの連続。
旅人でも島人でもないどっちつかずの状態だからこそ感じることがある。
7月に読んだ旅の本。梅雨も明けた沖縄の燦々とした太陽や透き通るほど綺麗なビーチを感じるタイミング。
島で暮らす“非”日常がだんだんと日常に変化していく様が、移住生活と子どもの成長を感じさせてくれるエッセイ。
沖縄の風邪を感じたい方におすすめです。
第9位 渡りの足跡 / 梨木香歩 著
北海道の知床や長野の諏訪湖、ロシアのカムチャッカに赴き一万キロを無着陸で飛び続けることもある鳥たちの「渡り」に思いを馳せる旅エッセイ。
現地で出逢う「案内人」たちから発せられる人たちの渡りにも焦点を当てる。
ひとつの生命体の、その意志の向こうにあるものとは何か。
梨木香歩さんの旅の本を紹介した際に読んだ渡り鳥とそれらを見守る人たちに焦点を当てた旅エッセイ。
命がけで移動する渡鳥たち。ここではないどこかへ、移動せずにはいられない鳥たちの心情を人生にも置き換えて、少し理解できた気がします。
旅に出れずに悶々としている方におすすめです。
第8位 奇界紀行 / 佐藤健司 著
タイの海中に石像を探し、インド最高の聖者を訪ね、廃墟チェルノブイリに彷徨い、澁澤龍彦の足跡を辿り、謎の古代遺跡に呪われ、アフリカの呪術師と対峙し、南米のUFO村で人々の優しさに触れる。
そこには世にも奇妙な世界、「奇界遺産」が広がっていた。
TBS系「クレイジージャーニー」の出演にて話題となった写真家・佐藤健司さんによるフォトエッセイ。
10月の旅の本やクレイジージャーニーの出演者の方の旅の本でも紹介した1冊。
UFOや未確認生物。占いや呪術。宗教や不思議な建築物。独自の生活をする民族。全てに対して達観して、一歩引いた目で淡々と語られるため都市伝説やオカルトとは少し違った見え方がします。
いつも通りの旅行に満足できない方におすすめの紀行文です。
第7位 怪獣記 / 高野秀行 著
1990年代にトルコ東部ワン湖にて、存在が話題となった怪獣「ジャナワール」。その真相に迫った怪獣探索。
果たしてその生物は存在するのか?フェイクなのか?イスラム復興主義やクルド問題を乗り越えつつ、目の前に謎の驚くべき物体が現れた!?その真相とは…!
現地の人やガイドの方との掛け合いが笑えるノンフィクション冒険記。
9月に読んだ旅の本からの紹介。いるかいないかわからない未確認生物の正体を現地に行って探してみようというノンフィクション冒険記。
ガイドとして行動を共にした現地の2人との掛け合いや胡散臭い政治家や村のおばあちゃんたちなどの取材が面白い。 最後まで、どっちなのか揺れ動きながら読むことができました。
ワクワクハラハラする冒険の記録をお探しの方におすすめです。
第6位 八月の六日間 / 北村 薫 著
40歳を目前に控えた女性編集者。仕事はハードで私生活も不調気味。そんな時、山と出会う。
山の美しさや、恐ろしさ、人との出会いを経て「日常」と距離の置き方を見つけていく。
山に登りたくなる登山紀行の短編小説集。
12月に読んだばかりの旅の本。山登りは決して楽しいだけのものじゃないけど、自分と向き合う時間や何も考えずに登り続ける時間が終わってみると満足感があるものなんです。
山登りに限らず趣味において、日常と距離感がより良い生活をつくり出してくれていることを考えさせてくれました。
何か新しいことに挑戦しようとしている方におすすめの登山小説です。
第5位 美麗島紀行 / 乃南アサ 著
美しき、麗しの島「台湾」。数奇な運命を辿ったこの島に魅せられた著者が、台湾各地を歩き、人々と語り合い、その素顔に迫る。
ある時代は同じ国民として、現在は良き隣人として台湾を見つめ書き綴っていくことで、彼らの面影にかつての日本の姿を見つけることも。歴史と人に寄り添った珠玉の紀行エッセイ。
11月に紹介した旅の本。台湾について意外と観光地的側面しか知らない人も多いのではないでしょうか。
この本を読むことで台湾の歴史やなぜ台湾の人たちが親日家と言われるのかが分かる気がします。
台湾が好きな人、台湾旅行を検討中の方にはぜひおすすめです。
第4位 青春を山に賭けて / 植村直己 著
五大陸の最高峰を踏んだとしてその名を世界に知らしめた日本の登山家・植村直己。
著者が大学から登山を始め、五大陸最高峰単独登攀やアマゾンの筏下りなどを成功させるまでの世界放浪の記録。
ほとんど無一文で日本を飛び出し、アメリカの葡萄農家で不法労働、ヨーロッパのスキー場で登山資金を稼ぐ。
10月に読んだ登山家の日記。素朴で自然体な文章の中にも、しっかりと当時の心情や情景が目に浮かぶリアルさがありました。
偉業を成し遂げたこと以上に、目標に向かって愚直に努力し実行する行動力、必ず成し遂げる信念に感銘を受けました。
登山好きには一度は読んでいただきたい1冊です。
第3位 スーツケースの半分は/ 近藤史恵 著
30歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れ。憧れのニューヨークへの一人旅を決意するが、過去の不安が蘇る。
そんな時、鞄のポケットから見つけたメッセージが背中を押してくれた。
やがてその鞄は、友人たちに手渡され世界中を巡り、”幸運のスーツケース”と呼ばれるようになった。青いスーツケースが運ぶ新しい自分との出会いを贈る短編集。
11月に読んだリレー形式の短編集。青いスーツケースによって繋がれていく幸せの旅物語。
日々の生活で感じる心の中のモヤモヤの正体を旅先で感じることがありませんか。旅先で感じると少しテンションが下がったり、尾を引いたり。けれども、そのモヤモヤを消しとばしてくれるのも旅だったりします。
背中を押してくれるような小説。何かの自信をなくしている方におすすめの1冊です。
第2位 地上に星座をつくる / 石川直樹 著
ヒマラヤ遠征を繰り返し、旅から旅へ。北極海でシロクマと出会い、知床ではヒグマと一夜を過ごし、沖縄でクジラの亡骸に手を合わせる。
震災後の福島、帰りたくなる宮古島、秘境の温泉のある能登。カメラを携え旅をする日常を通して世界を見つめる。
未知への旅へと冒険心をくすぐる1冊。
7月に読んだ旅の本。写真家石川直樹さんによる旅エッセイ。
各地で取材や撮影を行う中で、訪れた土地を深く理解しようとする著者がとても素敵でした。
“訪れた場所を辿った軌跡が地上に星座をつくる”なんだか素敵な表現でした。
旅に出たいと思っている人におすすめの本です。
第1位 モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語 / 内田洋子 著
人々にとって本が遠い存在だった時代。
イタリアはトスカーナ地方の山奥の村にイタリア中に本を届ける人々がいた。本を運び、広めたなもなき人々の歴史が明らかになる!
小さな村、モンテレッジォに実際に足を運び取材を行った著者渾身の歴史ノンフィクション作品。
最後に紹介するのは、12月の旅の本で紹介したこちら。
『本の行商人』を生業にして生計を立てていたというモンテレッジォの人々。その人たちの歴史や現在に迫ったノンフィクション作品。
本のありがたみを感じることのできる1冊です。
読書好き、旅行好きの方にはぜひおすすめです。
今年もあとわずか…
今年も素敵な旅の本と出会うことができました。
ランキング形式で紹介はしたもののどの本もおもしろく皆さんに読んでいただきたいものばかりです。
お気に入りの本が見つかりましたら幸いです。
来年も素敵な本と旅に出会えますように。
良いお年を。
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