みんな大好き夏休み。旅行や帰省で久しぶりに会う人たちと一つとして同じものはない夏を感じたのではないでしょうか。
そんな8月でも旅の本を読むことはやめません。
今月も旅にまつわる紀行文や小説、エッセイなどを読みましたので紹介していきます!
世界裁判放浪記/原口侑子 著
弁護士の仕事を休業中に世界各国を旅する著者。旅をする傍らで各国の裁判を「傍聴席」からその国民性やお国柄を覗く放浪記。
具体的な裁判の内容を鮮明に説明したり、ハッキリとした裁判記録が書かれているわけではないが、それぞれの国の裁判に対する立ち位置や日本との違いがふんわりと垣間見れて他の紀行文とは異なる一冊です。
裁判をテーマに旅をする紀行文は非常に興味深く、さくさく読めました!著者の書いた裁判官たちの似顔絵も素敵。
浮遊霊ブラジル/津村記久子 著
川端康成文学賞受賞作「給水塔と亀」収録したユーモアあふれる短編集。
その中でも、表題にもなっている「浮遊霊ブラジル」は、楽しみにしていた海外旅行を前に幽霊になってしまった主人公が人に取り憑くスキルを身につけ、目的の旅先を目指すがなぜかブラジルに…というお話。
日常の何気ない心象風景から突拍子もない話まで話の振り幅がすごい。だけどどの話もなぜか情景が目に浮かぶ魅力的な文章の1冊。
偶然の聖地/宮内悠介 著
地図を開いても検索をしても出てこないイシュクト山。
説明不可能なバグがはびこるこの世界で、偶然の聖地を目指す4人の旅人たち。壮大なスケールから縦横無尽に動きまわる話にワクワクしながら旅をする1冊。
注釈には、著者?のエッセイも入り混じり、SF小説なのかエッセイなのかわけがわからない。設定の面白さ、興味に負けることないヘンテコで愉快なストーリー。実際にこんな世の中だったら世界の不条理も信じられる。
晴れたら空に骨まいて/川内有緒 著
愛する人を喪った人々が行う弔いのかたち「散骨」。
時にはフランスのセーヌ川で、サイパンの先にある珊瑚の島で、ヒマラヤへインドへ。
世界各地を舞台に涙と笑顔が溢れる故人の見送り方を取材したノンフィクションの物語。故人を看取った家族と個人との出会いや別れ、その後に至るまでを綴る。
大切なひとに後何回会えるのだろうか。亡くなった後の世界などを考えしみじみとした気分になりました。だけどこの本を読んで、亡くなった後もその人のことを思い続けて「記憶」を残し続け、笑い合えるようになりたいです。
Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2022年 9月号 [見逃せないアート100]
『瀬戸内国際芸術祭』や『越後妻有 大地の芸術祭』など今からでもいける日本の現代アートの祭典を中心に紹介する1冊。
この夏に体験するべきアート100をリストアップ。全国各地のアート作品も紹介し、アートを巡る旅を体感してみてはいかがでしょうか。
Kindle Unlimitedに加入中のため、Casa BRUTUSの最新号が読めるのはとてもありがたいです。この本のためだけに加入する価値あり!
8月も終わり・・・
今月も夏の暑さに負けず、時には旅先の移動中の電車の中で、クーラーの効いた自宅のソファーの上で本を読み進めておりました。
2022年は芸術祭が目白押し!機会があれば是非行ってみたいです。
来月もよろしくお願いいたします。
以上です。
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